どうも、さびやんでございますー
さて今日は、米国の高配当株で有名なアルトリア・グループ【MO】は、投資するのに向かない理由について書いていきたいと思います。
目次
米国株のアルトリア・グループ【MO】は高い配当利回りが魅力的な企業
そもそも、アルトリア・グループ【MO】という企業を聞いたことがありますか?
アメリカはバージニア州ヘンライコ群に本社を置く、世界最大のタバコ製品の製造、販売メーカーなんだそう。
食品分野での売上高は、世界第1位というとんでもない企業だそうですね。
そんな企業の魅力は何と言っても、高い配当金がもらえる株だという点。
2019年11月26日現在で、6.82%という高い配当利回りをたたき出しています。
※ブルームバーグ調べ
ですので、その高い配当利回りのお陰で、不労所得として高配当株を買い付けている人種からしたら、喉から手が出るほど欲しい銘柄なんだろうと思います。
かくいう僕も、いわば働きたくない人種の一人。
そりゃあ目に付く銘柄です。
ですので、ぱっと見、抑えておきたい銘柄に見えてしまいます。
ですが、手を出すその前に、一度この企業のビジネスモデルについて、考えてみる必要があるのです。
実は高配当株として魅力的に見えるこのアルトリア・グループ【MO】は、現時点では絶対に長期投資をしてはいけない、罠銘柄だと言えるのです。
米国株のアルトリア・グループ【MO】は長期投資をしてはいけない罠銘柄の理由
おいてめー。
なんだよ罠銘柄って?
なめてんのか。
そういう口汚い罵り方ばかり身に付けている、なんちゃって投資家の方にいちゃもんを付けられそうですが、冷静に考えたらなぜ罠銘柄かわかるはずです。
その理由は非常に簡単で、そもそもとして、
アルトリア・グループ【MO】は、時代に即していない企業だから
です。
どういうことか説明していきましょう。
物事には、流行り廃りがありますよね?
企業でもそう。
例えば、一昔前の電車が開発された時代では、誰もかれもが使いました。
当然、使う人が増えれば増えるほど、企業はより大きなお金を稼げますから、企業価値も上がりますよね。
けれど、今の移動手段は車であり、新幹線であり、飛行機です。
より早く、よりスピーディーに目的地にたどり着けられるようになりましたね。
すると、相対的に電車を利用する頻度は下がりますから、自ずと利益も出づらくなっていきます。
また、このインターネット社会。
電話会議なんてのもありますから、いよいよ移動しなくてもいい時代になってきています。
つまりまとめると
電車で移動する必要がない
電車を使う頻度が下がる
こういう図式が成り立つってわけですね。
つまり時代に即していない企業というのは、今の時代に必要とされていない、または使用者が減っている、そういう企業のことだといえますね。
世界のタバコ使用者数の変化はどうなんだ?
じゃあ、肝心のタバコ業界の状況はどうなっているでしょう。
時代に即しているのならば、当然毎年タバコ人口は増えているはずです。
ウィキディアの国別タバコ消費概況、その他資料によれば、以下のようなことがわかりました。
■ 先進国では喫煙者が減り続けている。
■ 低、中所得国(発展途上国)では増えている。
■ 世界全体で見たとき、どっこいどっこい。
ココでのポイントは、ザックリ言えば高所得者はタバコを吸うのを辞め、中低所得者はタバコを吸う、という流れですね。
これは掘り始めると深遠な世界に飛び込んでしまいそうなのでやめときますが、事実としてはこんな感じだそうです。
また、JT(日本たばこ産業)によれば、日本の喫煙数は年々減少の一途をたどっているようです。
日本は当然先進国の一因ですので、喫煙者が減少するのは当然っちゃー当然ってわけですね。
発展途上国はいずれ先進国になる
いやいや、発展途上国がたばこを消費しているんだから、何がどっこいどっこいだ…そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かにそれも一理あります。
が、冷静になって考えてみましょうか。
発展途上国は、いずれ先進国になります。
この事実は揺るぎありません。
世界は進み続けるわけですから、よっぽどブータンの様な成長を辞めた国でなければ、先進国になるのは時間の問題ですよね。
さてそのうえで、先進国になるとどうなるでしょうか?
そうです、先ほど書いた通り、タバコの消費量は一定水準をピークに、減少の一途を辿っていきます。
つまり、発展途上国が将来的に近代国家を目指している以上、タバコの需要は間違いなく減っていく、ことが予測できるわけですね。
ま、近代国家から発展途上国に向かうっていうなら話は別ですけどもね。
んなこと地球規模の戦争とかが起きない限りはまずありえません。
高配当株で連続増配銘柄だから安心は、確証バイアスに陥っているよ
そもそもとして、
各有名ブロガー、Youtuberなどがこぞってオススメしているアルトリア・グループ【MO】は、確証バイアスに陥ってしまっていませんかね
っつー話です。
心理学用語で、確証バイアスという言葉があります。
この言葉を簡単に説明すると、
自分にとって都合のいい情報だけ集めて、それを否定する情報は無視、または集めようとしない傾向のこと
を言います。
この言葉を理解したうえで、高配当株であり、連続増配銘柄であるアルトリア・グループ【MO】を考えてみましょうか。
アルトリア・グループ【MO】で確証バイアスにハマっているポイント
アルトリア・グループ【MO】で確証バイアスにハマっているポイントは次の2つですよね。
メモ
① 高配当株
② 連続増配当銘柄
① 高配当株について
高い配当を出している株は、確かに魅力的です。
しかしこの配当という性質は、その時々で変わってくるものです。
そもそもとして、配当は成長が止まった企業がよくやる手法です。
より拡大を目指す企業なら、配当を配るより企業価値を上げるための投資に配当分の資金を回したほうが、その何倍ものお金を稼げるようになるわけですからね。
では、アルトリア・グループ【MO】はどうでしょうか。
超ざっくり見ると、2014年からの売り上げの伸びがほとんど横ばいになっている状態です。
そのせいか、現在の株価の伸びは止まっているばかりか、ダウントレンドに移行してきた雰囲気があります。
まぁこの辺の見立ては人に寄るでしょうが。
タバコ業界全体の世界的な売り上げが、いつなん時落ち始めるかわかりません。
ひとつだけ言えることは、近代国家が増えれば増えるほど、その可能性が高くなっていきます。
そしてそれは避けられない未来です。
それを、発展途上国では売り上げが伸びているから、アルトリア・グループ【MO】の株を買おう。。。というのは、それこそ確証バイアスにかかっている――つまり、都合のいい情報しか見ていないってことですね。
先進国ではタバコの売り上げが落ちている。
発展途上国はいずれ先進国に仲間入りする。
この事実を見て見にふりしている状態だってことですね。
発展途上国でしか伸びていないタバコの売り上げを見て、アルトリア・グループ【MO】が将来、近代国家が増えていったときに、いまと同じような高い配当を維持できるか、甚だ疑問です。
② 連続増配当銘柄について
連続で増配しているから安心ということこそ、もはや確証バイアスに大きくはまっている証拠です。
確かに、過去の延長線上が未来を作ります。
だから、連続増配してるなら、これからも続きそう…と人は思います。
しかし身近にいい例があるじゃないですか。
そうです、日本のバブルです。
1980年代にはじけた日本のバブルですが、はじけるまでは永遠に続くかと思われていたようです。
でも結局、続くことなく終わりを迎えました。
これから考えるに、どんなものでも永遠に続くものなどないってことがわかります。
であれば、連続増配=これからも続く、と考えるのは短絡的過ぎます。
もちろん、トレンドというものは一度動いてしまえばある程度は続くものです。
ですがいつかは必ず終わりを迎えます。
特にアルトリア・グループ【MO】昨今の売り上げの伸びの悪さを見ると、いつなん時売り上げ伸びが止まり、減少に向かうことも考えられます。
売り上げが伸びているなら増配は出来ても、落ちている状態で果たして増配を続けられるでしょうか。
今すぐに影響があるとは思えませんが、徐々に表立って影響が出てくるのが世の常です。
そう考えると、増配してるから安心。。。なんてことは、意外と神話的なあやふやなものだと思うでしょう。
さて、2つの確証バイアスにハマっているポイントを解説してみました。
今までは確かに優良企業だったかもしれません。
ですが、時代は変われば需要と供給は変わりますし、タバコ業界も変化の時代になってきているのは、上記のエビデンスを基にしてもらえばわかるはずです。
それら情報をあえて無視し、まだまだいけまっせ!という情報を提供している方々にはこう強く言いたい。
あなた方は、投資家を語る資格はありません。
いやマジで。
アルトリア・グループ【MO】の株価と配当利回りという視点からも投資対象にしたくない理由が見えてくる
いやいや、そうは言っても優良企業だから長期投資に向くに決まってる。。。という寝ぼけた考え方をするエセ投資家はたくさんいます。
そこで、実際のアルトリア・グループ【MO】のチャートを見ながら考えてみましょう。
デデン。
だーうーんーとーれーんーどー(だみ声風
まぁスーパーざっくりチャネルラインではありますが、大まかな方向感を見る分にはいいでしょう。
もう少し過去に翻ると、確かに上昇トレンドにありました。
2017年の5月に77.8ドルぐらいをつけていますね。
さて、それから考えて今はというと、大体50ドルぐらい。
高値からの減少率はざっくり35%ぐらいですかねぇ。
2017年から積立投資をしていたら、もはや超絶含み損の最中ですよねぇ。
また、そこまで減少しているということは、もらえる配当金以上に、マイナス側に変動しているってことになります。
多く見積もって毎年7%の配当金を貰ったとしても、それ以上に株価が下落したらメンタル大丈夫?ってなっちゃいます。
いえ、耐えられるんならいいんですよ、耐えられるんなら。
でもそもそも、配当金戦略をとるなら、将来においてもある程度目算がつくような企業を選んだ方がよくないでしょうか?
何十年先でも、残っていそうな企業を選んだ方が、仮に配当金戦略をとろうと思ったら安心できますよね?
仮に20年とか長期投資をしたいと考えたとき、アルトリア・グループ【MO】が残る可能性は、短期的な上昇はあったとしても、現状だとなかなか難しいと言わざるを得ないかなと思うのです。
アルトリア・グループ【MO】は投資対象にするべきかの結論。
アルトリア・グループ【MO】は投資対象にするべきかどうかについての結論ですが…
何をどう考えても、アルトリア・グループ【MO】は投資対象としては向かないようです。
むしろどちらかと言えば投機対象というべきでしょうかね。
もちろん、今の時代に即したようなビジネスモデルに、急に方向転換する可能性も無きにしも非ず。
上にも書いた通り、投機対象としてだったら、どうぞご自由にって所でしょうか。
ですが、このアルトリア・グループ【MO】株の特徴はやっぱり何と言ってもその高い配当金による不労所得だと思うんです。
しかしそんな長期保有には向かない条件しかないのが、アルトリア・グループ【MO】のビジネスモデルってわけですね。
さてさて、これからこのアルトリア・グループ【MO】はどうなっていくのでしょうか?
色んな意味で、興味が引かれる銘柄です。
ではでうゎ~ノシ
追伸
結果的に株価が爆上がりする…という可能性もない話じゃないです。
例えば、タバコは健康に良い…とうエビデンスが出るとか、ね。
んなもん永久に出るわきゃないと思うんですが、まぁない話じゃないかも。
あくまで僕個人としては、アルトリア・グループ【MO】を長期保有するとういう考え方が全く理解できないってだけです。
ま、もしかしたら世の中の天才投資家(笑)の方々は、僕と違った見方をしているのでしょう。
さすが天才達、誰も見えていないものを見ているんですねっ!
僕は僕の資産が増えることが一番大切なので、どうぞご自由にって感じですハイ。