どうも、さびやんです。
ついこの間、こんなニュースを見ました。
目次
一般NISAに積み立て型=安定資産形成へ新設―20年度改正
この記事によれば、政府与党は29日、一般NISAについて、比較的リスクが低い投資信託などを投資対象とした積み立て型を2024年にも新設する方向で調整に入った、といいます。
詳しくはリンク先の記事を見てもらいたいのですが、この中にある一般NISAが富裕層優遇だとか、株式の短期売買に使われている、といった結果から、政府の目的である老後資金を蓄えてもらう趣旨と違うことで、変えて行きたいという意志が現れていると思われます。
ということで、今回の記事では、その一般NISAというか、NISAというものについて、僕自身が考えていることを書いていきたいと思います。
そもそもNISAの目的を再確認してみる
元々は、このNISAはイギリスのISAという仕組みを参考にして新設された仕組みです。
ISAとは、Individual Saving Accountの略で、イギリスで1999年に個人の貯蓄や投資を促進する目的で導入された、イギリス居住者対象の税制の優遇措置の事です。
つまりNISAは、その日本版ということですねー
さて、ここでポイントになってくるのは、イギリスでは
【個人の貯蓄や投資を促進する目的で導入された】
という点です。
しかし日本政府は、こう言っています。
【老後資金を蓄えるため】
なんとなく意味が似ているようで、どうにも全然違うスタンスにしているように感じますが、とにかく日本政府はそう定義づけしているようです。
日本版ISAと本家イギリス版ISAは全然違う件
日本版ISAは2種類ありまして、一般NISAとつみたてNISAです。
大きく分けると、株とか売買できるのが一般NISAで、投資信託しか買えないのがつみたてNISAというのが日本のNISAの現状です。
しかし、非課税に出来る枠の低さ、運用期間に制限があるなど、非常に使いにくいのが現状です。
翻ってイギリス版ISAは全然違います。
大きく分けて4つの口座に分かれているそうです。
① 預金型ISA
② 投資型ISA
③ イノベーティブ・ファイナンスISA
④ ライフタイムISA
このうち、日本と関連性が高いものが、②の投資型ISAですね。
そこでせっかくなので、日本のNISAである一般NISA、つみたてNISAと、イギリスとISAを比較、まとめてみることにしました。
そしたら、なんか驚愕な事実が見え隠れしてくるじゃないですか…
一般NISA、つみたてNISA、イギリスISAの比較を表にしてみた
ってことで、こんな感じになりました。
一般NISA | つみたてNISA | イギリス版ISA投資口座 | |
年間拠出金額 | 120万円 | 40万円 | 280万円(20000ポンド) |
非課税期間 | 5年 | 20年 | 無期限 |
投資対象 | ・上場株式
・投資信託 ・上場投信(ETF) ・上場不動産投信(REIT) ・新株予約権付社債 |
・投資信託 | ・上場株式
・投資信託 ・国債、社債、ユーロ債などの公社債 ・保険 ・上場投信(ETF) ・上場不動産投信(REIT) ・新株予約権付社債
|
配当や分配金の振込先 | NISA口座外の総合口座 | NISA口座外の総合口座 | NISA口座内(拠出額に含まれない |
※2019年11月30日現在
この表を見て思うのは。。。もうね、あかんでしょこれ笑
ざっくりの表で大変申し訳ないのですが、赤字で書いているところがより大きなポイントです。
トラップしかなくね~っすかコレ?笑
ちょっと赤字の部分を一つずつ解説していきます。
年間拠出金額の差があまりにありすぎる
思った以上に差がありすぎなのがここ。
イギリスの月平均所得はここのデータによれば、2018年は2498.0ポンド。
年だと約30000ポンドになるようです。
日本円でざっくり425万円ですね。
さて日本の年平均所得は平成30年(2018年)では441万円だとのことです。
もちろん為替の影響もあるので一概には言えませんが、大体どっこいどっこいと言えるでしょう。
意外とイギリスって年収低いんですね…
そのうえで、拠出金の金額の差を見てみましょう。
もうね、拠出金の金額がここまで開くことに意味が分かりません。
つみたてNISAを選んだとして、たったの40万/年しか非課税にならない
んですよ。
ゴミオブゴミ。またはクズ&クズ。
非課税期間が短すぎる
一体全体一般NISAを5年だけ運用できることに、何の意味があるのでしょう…
それこそ長期投資を目指したいなら、当然もっと長くするべきかのに、何の圧力が働いたのか、はたまた株の売買をさせたくないのか、短すぎる運用期間になっています。
それで短期売買の温床になっている。。。とかのたまうバカな政府がいたもので、それは単に非課税期間が短すぎるからだろうと盛大なつっこみを入れたくなります。
期間が短いんだから、そりゃー短期売買もしたくなりますよ。
だって、期間が短いんだから(繰り返す
これが、つみたて投資信託だったら短期売買しませんよね?
だって、短期売買したところで大してお金増えませんもん。
お金を増やす=将来の安心を買う
という図式が成り立つ以上、少なくとも5年しか運用期間がない以上、株を短期売買するのは当たり前で、そうしなければお金が増えませんよって話です。
お金を増やすためにやらないんだったら、タンス預金から投資へとか言わないでほしい。
投資は減らすリスクもあるんだから、それを許容できないんだったらタンス預金のままでいいでしょう?
そんなこともわからないんですかねぇあの馬と鹿どもは。
大体、お金を増やすのも減らすのも、運用戦略の取り方にしろ、全てそんなもん自己責任の範囲じゃないんですか?
だから運用資金に上限を設けてるんじゃないですか?
そんな簡単なこともわからないのは馬&鹿だからなんですか?(言い切ってしまうスタイル
自分たちが設定した条件の厳しさのせいのくせに、それを個人投資家の責任に転嫁するとか、おまえら頭にブーメラン刺さってますよ?と言いたくなります。(今言った
一般NISAとつみたてNISAに分ける理由がない
そもそも一般NISAとつみたてNISAに分けている所があたまキノコ野郎ですね。
正常な思考が働けば、一般NISAとつみたてNISAという分け方をするのではなく、NISA口座というひとくくりにしてしまったほうがわかりやすいだろう、と考えるはずです。
ところが、使う人の目線に立たずに、混乱させているだけにしか見えません。
そもそもこういった制度は、誰のための制度なのでしょうか?
当然、国民の幸せのためです。
そんな国民が不便になるような、わかりにくい制度を作る理由は何なのでしょうか?
そう疑問に思わざるを得ません。
あえてわかりにくくすることで、下手に手を出させないように、お金儲けをさせないようにするといった心理を勘ぐってしまいます。
NISA口座内で上げた配当金や分配金を、なぜかNISA口座の外に弾き飛ばすウルトラC
日本のNISA口座で運用した株等の配当金などは、NISA口座外の総合口座に振り込まれます。
もしその配当金をNISA口座で運用したいなら、一度NISA口座に振り込まなければなりません。
もちろんそうすると、ただでさえ少ない拠出金枠を消費してしまいます。
これが本家イギリスのISA口座では、ISA口座内に振り込まれます。
またその際には、拠出金枠が消費されません。
個人的に一番納得いかないのがここですよね。
100歩譲って、キャピタルゲインでお金が増えた分はNISA口座から出してもいいかもしれませんが、配当金や分配金を弾き飛ばす必要はありません。
むしろ、飛ばすこと自体が、老後資金=年金、という部分とかみ合わなくなります。
老後資金を作るってことは、いわば年金の代わりとしてのお金って考えられます。
というより、もとからそのつもりで始めたのがこのNISAという制度のはずですよね。
ですから、安定的に入ってくる収入としての配当金や分配金をNISA口座の外に出してしまうと、その分だけ運用成績が落ちてしまいます。
すると、複利効果を生かすための手間が無駄にかかり(資金移動)、新しい資金としての枠の消費を加速させてしまいます。
つまり、枠の上限に資金が増えれば増えるほど早く引っかかってしまうってことですね。
だから何度も書きますが、いったい誰のための制度なんだと(ry
おわりに
さてさて、途中から感情が入り乱れての文句のオンパレードになってしまいましたが笑
今回調べてまとめてみて、思った以上に日本のNISAは、偽りの優しさに包まれた制度だってのがわかりました。
もともとこのNISAの前身として、1987年までにマル優(少額貯蓄非課税制度)と呼ばれる、全ての個人を対象にした税制優遇制度がありました。
当時は銀行貯金、郵便貯金、国債などの利子がそれぞれ元本の300万円まで非課税でした。
これを見ると、非常にお得な制度だったのがうかがえます。
それがあれやこれやと改悪を続け、今では障碍者限定という、あってないようなモノに移り変わってしまったようです。
その結果として生まれたのがこのNISAだと言われていますね。
もちろん当時の世界情勢、世界経済などの影響からそのような制度が生まれたという背景もあります。
単純に比較してしまうとややこしくなるのはごもっとも。
とはいえ、年々物価が上昇しているのにも関わらず、当時よりも圧倒的に拠出金が少ないこの状況は、果たしてどうなのだろうと疑問を投げかけたくなります。
また、土台となっているイギリスのISA制度と比べても、非常にかけ離れてしまっています。
この記事で何度も触れていますが、NISAはいったい誰のための、何のための制度なのかを今一度考えたうえで、徹底的に議論してもらいたいと、政府には拡声器を耳元で使ってでも伝えたい次第であります。