あなたは今、お金をどこに預けていますか?
ほとんどの方は「銀行」と答えると思います。確かに安心安全なその銀行ではありますが、預けているだけで「お金が増えている」という実感はありますか?全くありませんよね?
それもそのはず、この超低金利な時代、銀行にお金を預けていても、精々年利0.1%ぐらいしかお金が増えません。
例えば1000万円入れていても、1万円ぽっちしか増えないんです。果たしてそれって、お金を預けている意味ってあるんでしょうか?
確かに、銀行は安心安全の代名詞です。ですが、安心安全を追い求めすぎて、みすみすお金を増やすチャンスを逃していませんか?どんなズボラでも、めんどくさがりやでも、何にもしなくても安全にお金を増やす方法があるというのに。
前置きが長くなりましたが。その、誰でも簡単に安定した資産の増やす方法が一つあります。
それは全世界投資という考え方です。
銀行に預けていても、せいぜい年利0.1%しか増えないお金より、全世界投資戦略を取ったほうが、あなたの資産残高は二次曲線を描いて圧倒的に増えていきます。しかも超々ローリスクで。
そこで今回の記事では、そんなローリスク投資の代名詞である、全世界投資について、詳しく解説して行きます。
目次
◆なぜ、全世界投資をおすすめするのか?
そもそも、この世界はどれぐらいのスピードで成長しているか知っていますか?正直なところ、まずほとんどの人が知らないと思います。そこで、こんなデータがあります。
世界の成長率を知る
※Interim Assessment of Major Economiesより抜粋
OECD(経済協力開発機構)が発表してる経済の見通しによると、2018年の世界経済成長率は、3.7%になると予想しています。我らが日本は、1.2%の成長率と予測されていますね。このデータを見てもらえばわかる通り、世界経済は常に成長し続けています。
全世界の成長率は大体これぐらい
この表は3年分しかありませんが、IMF(国際通貨基金)のデータからその率を平均すると、
毎年大体3%後半から4%程度成長する
と言われています。
もうお気づきの方はいるかもしれませんね。全世界投資とはつまり、
世界経済の成長とともに、自分の資産を成長させる
ということなんです。仮に世界経済が5%の成長をするなら、自分の資産も5%成長する。もし仮に5%減少するなら、それに合わせて自分の資産も5%減少する。そうやっていく中で、長期的に見たときに世界とともに自分の資産も成長していくわけです。
◆全世界投資をするために考えるべき資産比率
では、全世界投資をするといっても、具体的にどのような行動をしていけばいいのでしょうか?
そこで、まずは世界の国々を3つのグループに分けるところから考えていきます。
世界をグループ分けする
この世界は、大きく分けて次の3つにわけることができます。
①日本
②先進国
③新興国
全世界投資戦略の考え方としては、まずはこの3つに分けた世界を土台として、どれぐらいの比率で持つのかを考えていけばよいのです。では、具体的にどのような比率で見ていけば良いのでしょう。それには、世界のGDPを使う方法があります。
比率の基準となる数値を割り出す
GDPと聞いて、何だかわからないと思いますので、もう少し詳しく書きますね。
GDPとは、国内総生産のことで、その国が1年間にどれぐらい価値があるものを生産したか、という基準の数値になります。
例えば日本では、2016年度のGDPは4兆9386億USドル。日本円でおよそ550兆円になります。とんでもない規模ですね。ちなみにアメリカはおよそ18兆6000USドル。日本の3倍以上のGDPですね!
全世界投資戦略を行うなら、このGDPをもとにして、その比率を利用していけば良いのです。
全世界投資の適切な比率はこれだっ!
では具体的に、全世界投資で使う比率はどのようになるのでしょうか?実はこの値は、今までの先人たちが導き出した答えにより決まっています。
日本:1
先進国:8
新興国:1
これがGDP比率として割り出した配分になります。※先進国の定義、新興国の定義については今回省きます。この比率に応じて投資信託を買っていけば、自動的に全世界投資になるというわけです。
では、さらに具体的にどのような投資信託を買っていけば、この比率に近づくのでしょうか?
◆どういう投資信託を選べばいいの?
この全世界投資をするうえで、肝となってくるのが投資信託選びです。そのためには、次の2つの考え方が土台となっています。
市場平均と同じ動きをするファンドを選ぶ
投資信託には、2つの種類があります。一つはアクティブファンドという、利益を追求するファンド。そしてもう一つが、全世界投資に使う、インデックスファンドです。
インデックスファンドを簡単に説明すると、市場平均と同じ動きをするように運用を目指すファンドといえます。
市場平均と同じ動きをする…という考え方は、その市場平均を作り上げているのは、その国の中で価値を生み出している企業の平均値です。日本でいえば、TOPIXが日本を代表する指標のうちの一つです。アメリカでいえばS&P500がそれにあたりますね。
この市場平均と同じ動きをする指標を利用することで、その国に投資していると同じ意味になるのです。
手数料などのコストを限りなく低い投資信託を選ぶ
全世界投資戦略を行ううえで、このコスト対策は非常に重要です。何しろ、コストが高ければ高いほど、そのまま資産の増加スピードに影響してきます。
そのスピードが遅くなるだけならまだしも、むしろ高コストの影響で、資産がマイナスになってしまう可能性もあるのです。
そこで、投資信託を選ぶ際、できる限り低い手数料の商品を選ぶ必要があります。それでは、具体的にどのような投資信託を買っていけばいいのでしょうか。
◆具体的なオススメ投資信託とその特徴は?
日本国内ではたくさんの投資信託が販売されています。あまりにも数が多いので、投資信託初心者にとっては、選ぶだけでも非常に大変です。
そこでここでは、投資歴10年以上の僕がおすすめする、コストが非常に低い投資信託(ファンド)をそれぞれ3選ずつご紹介していきます!
日本株式のおすすめファンド3選はこちら
① ニッセイTOPIXインデックスファンド
・TOPIXの動きに連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.17172%以内/年
② One-たわら ノーロードTOPIX
・TOPIXの動きに連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.1836%/年
③ eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
・TOPIXの動きに連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.17172%以内/年
先進国株式のおすすめファンド3選はこちら
① ニッセイ外国株式インデックスファンド
・日本を除く主要先進国の株式に投資することにより、
MSCI コクサイ インデックス(配当込み、円換算ベース)に
連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.11772%以内/年
② One-たわらノーロード 先進国株式
・MSCIコクサイ・インデックス
(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)に連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.216%/年
③ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・MSCI コクサイインデックス(円換算ベース)と連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.11772%以内/年
新興国のおすすめファンド3選はこちら
① 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim新興国株式インデックス
・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
と連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.20412%以内/年
② ニッセイ新興国株式インデックス
・新興国の株式等に投資することにより
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
(配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.20412%以内/年
③ SBI-EXE-i つみたて新興国株式ファンド
(円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指す
・購入、換金手数料無料
・信託報酬 0.1948%程度/年
◆全世界投資の問題はどんなものがあるの?
さて、非常に効率的に見える全世界投資戦略ですが、実はいくつか弱点もあります。この章では、その弱点について踏み込んでいきますね。
弱点その1 増え方がゆっくり
全世界の成長率は年間大体3%~4%になります。ということは、自分の資産の増加スピードも、大体同じようになります。つまり、年利3%~4%ということですね。
この増え方を少ないと取るか多いと取るかは人によりけりですが、一気に稼ぎたい方、毎月資産を倍にしたい方などにとっては、物足りないかもしれません。そういった方は、残念ながら、今すぐこのブログを閉じていただくのが賢明です。
あくまでじっくりと資産を増やしたい方向けの投資手法になります。長いスパンで見ると、資産はゆっくりと増えていきます。投資初心者にとっては、最初はそれでいいと思います。この投資手法を始めながら、投資そのものに慣れていけば良いのです。
そのあとで、少しリスクが高い投資を始めてみるなど、投資の世界を体感するためと、増える実感を身に付けるために始める良い戦略だと考えています。
弱点その2 世界経済の下落とともに資産が減る
世界全体を均等に買っているということは、世界に何かが起きれば、それに応じて自分の資産も何かが起きます。当然世界経済が成長し続ければ、自分の資産も成長し続けます。
ですが、何らかのショックが起きて、世界経済が停滞するとか、ひどいことが起きると、資産が目減りしてしまうこともあります。チャイナショックやギリシャショックなどがいい例ですね。
このような世界経済に大きな影響が出る出来事が起きると、経済の成長が鈍化するばかりか、縮小してしまう場合もあります。すると、自分の資産もそれに合わせて動くわけですから、大きなダメージを受けてしまうことでしょう。
こうなってしまったとき、我慢できずに資産を手放してしまうのか、それとも、それでも変わらず投資信託を買い続けるのか。これは、あなた次第になります。
ですが、一つだけ言えることは、そういった様々なショックを乗り越えた結果が、今のこの世界経済だということです。
◆まとめ
いかがでしたか?
確かに銀行にお金を預けておくことで、無くなるリスクというのはほとんどありません。しかし、ほんのちょっとのリスクを背負うことで、銀行預金金利と比べると圧倒的な加速度で、お金を増やすことが出来ます。
もちろん、記事内にもあるように、調子が悪い年や時期があるのも事実です。ですが全世界投資戦略とは、そもそもそんな短いスパンで見るモノではなく、もっと何十年も先の未来に向けて考えているのです。
なにより、自分の将来、例えば老後の時期などになって初めてこの積み上げた資産を使っていく考え方なのです。目先の損益に惑わされてはいけません。
この全世界投資戦略は、誰でも簡単に、それこそ学生からでも始めることが出来ます。
投資を始める時期が早ければ早いほど、将来のお金の不安は少なくなっていくはずです。であれば、今こそ自分の将来のことを真剣に考えてみるべきです。そして実際に行動して、お金に困らない、幸せな人生を築いていきたいですよね。
※今回の記事で書かれている内容は、過去のデータに基づいての解説となっています。
将来の利益を保証する内容ではございません。あらかじめご了承ください。
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